民族の伝統と、世界の趨勢と。中国のお酒事情も、次第に移り変わっている。

永昌源の中国酒大全 中国最新お酒事情

民族の伝統と、世界の趨勢と。中国のお酒事情も、次第に移り変わっている。

広い広い中国では、お酒の消費に関しても正確な実態はなかなかつかめないのが現状ですが、中国醸酒工業協会の資料から近年の推移を見てみましょう。ここでも輸入がメインのワインに対して、輸出はあるが輸入のない白酒(ぱいちゅう)や黄酒(ふぁんちゅう)は基準が異なるため数量の把握は困難ですが、ビールやワインの消費が増えていることが見えてきます。民族の伝統的な酒に肉薄する勢いで浸透する世界の多彩な酒文化。かの中国においてもそんな事情が見え隠れしています。

いまや中国でも乾杯はビール?まだまだ伸びそうなビール消費。

いまや中国でも乾杯はビール?まだまだ伸びそうなビール消費。

白酒や黄酒を小ぶりのグラス等になみなみと注いで「カンペー!(乾杯)」と言って一気に飲み干す。そんな中国ならではの食事のシーンも変わっていくのでしょうか。いまや中国もすっかりビール大国。中国醸酒工業協会■酒分会の調べでは、2002年以降6年連続で生産量、消費量とも6年連続で世界1位を維持しています。北京や天津、上海などの海岸地帯での消費増にプラスして、今まであまり飲まれていなかった農村部や内陸部での拡大が顕著に。販売拠点としてはホテルやレストランが32%、バーやカラオケなどで30%、デパートやスーパーが17%、地域の小売店やコンビニなどで21%。広大な国土のため製造工場の近辺が販売の中心になっています。年間一人あたりのビール消費量としては中国28.9Lで、ヨーロッパの127L、アメリカの77L、日本の85.7Lに較べればまだまだ増加の余地ありといったところ。輸入量は2.2万KLで、ドイツ、メキシコ、マレーシア、韓国、オランダなどが中心。外資系合弁企業の進出も多く、技術や品質も日々向上しています。一方ビールの輸出は20.6万KLで、香港や台湾、ミャンマー、カンボジア、マカオに69.1%、アメリカ、シンガポール、英国など52カ国で30.9%。広東省(9.4万KL)、山東省(4.8万KL)の2省が輸出量の多い地域。2008年の生産量は4100万KLに達する見込みです。
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低アルコール志向は中国にも。白酒市場の変化。

以前はアルコール度数50度以上のものが主流であった白酒も、時代とともに低アルコール化への道を歩んでいます。茅台酒(まおたいちゅう)などから五粮液(うーりゃんいぇ)などへと好まれる酒のタイプが変わっているのです。現在の割合は、60度以上のものが10%以下、40〜50度のものが約50%、40度未満が20〜30%。生産地は四川省や貴州省などの西南地方が中国全土の約45%を占め、次いで華東地区が約25%となっています。輸出は香港向けが46.5%、以下日本10.7%、フィリピン5.8%、韓国4.2%、シンガポール3.8%。輸出金額の59%(7192万ドル)を五粮液が占めています。

低アルコール志向は中国にも。白酒市場の変化。

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江南地域から中国全土へ、そして世界へ。拡大を続ける黄酒市場。

江南地域から中国全土へ、そして世界へ。拡大を続ける黄酒市場。

長江流域の肥沃な土地が育てた、紹興酒に代表される、もう一方の中国酒の雄、黄酒。長江デルタ地帯や華中といった米の生産地にメーカーも集中していて、中でも浙江省、江蘇省が60%強を占めています。これは上海などの大消費地が近いことも大きなポイント。浙江省、江蘇省、上海で約80%が消費されています。ビールや白酒に較べて価格が高かったため他の地域での飲用機会はそれほど多くありませんでしたが、経済力の上昇とともにマーケットも拡大。ますます増加の一途をたどっています。加えて料理用途としても広く認知され、黄酒の生産量全体の約70%(160万KL)を占めるに至っています。これは中国国内で魚や肉料理の食生活が増加するにつれ、魚や肉に含まれるトリメチルアミン、イソ吉草酸、ピロリジンなどの物質を分解、揮発させる効果があるからとされ、いまや料理用黄酒の販売は全国各地にほぼ普及しています。

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